〔紅の恐怖〕、その1

VTESテキスト読み書きのツボ、始まるよ〜。
今回取り上げるのは、〔Rötschreck/紅の恐怖〕です。じゃあ、先ずはカードテキストを見てみましょう。

Rötschreck
Out-of-Turn.
Can only be played when a minion attempts to make a strike to inflict aggravated damage against the opposing vampire. Put this card on a vampire when an opposing minion attempts to inflict aggravated damage on him or her, whether the damage would be successfully inflicted or not. Combat ends. This vampire is tapped and sent to torpor. This vampire does not untap as normal. During this vampire's next untap phase, burn this card.

ややこしそうなテキストですね。とりあえず、〔紅の恐怖〕については3回シリーズで解説します。以下、概要

  • その1:〔紅の恐怖〕をプレイできる条件
  • その2:〔紅の恐怖〕をヴァンパイアに置いた後の効果(1月13日更新予定)
  • その3:〔紅の恐怖〕への対策(1月14日更新予定)

じゃあ、先ずは〔紅の恐怖〕をプレイする条件を、テキストの頭から解説していきます。

Out-of-Turn.

まあ、これはそのままですな。〔紅の恐怖〕はターン外マスタカードです。つまり、自分以外のターンでプレイするしかありません。

Can only be played when a minion attempts to make a strike to inflict aggravated damage against the opposing vampire. Put this card on a vampire when an opposing minion attempts to inflict aggravated damage on him or her, whether the damage would be successfully inflicted or not.

さて、問題なのはこの2つの文ですな。2番目の文は厳密に言うとプレイ後の効果なのですが、プレイ条件の補足もあるので一緒に見ていきます。最初の文で〔紅の恐怖〕をプレイするには、ミニオンが相手のヴァンパイアに対して「attempts to make a strike to inflict aggravated damage against the opposing vampire」をしている必要があるとしています。また2番目の文で「whether the damage would be successfully inflicted or not」と補足しています。
じゃあ、どういう風に解釈すりゃあ良いのかっつうと、まず「相手のヴァンパイアに対して再生不能ダメージを与えるストライクを選択する」必要があります、かつ「ダメージを与えることに成功するかどうかは問わない」のです。では、例を見てみましょう。ヴァンパイアお嬢と、ヴァンパイア下僕が戦闘しています。

例、その1(間合い:近距離)
お嬢:装備している〔Sengir Dagger〕で攻撃
下僕:素手で攻撃

この場合、お嬢のダガーは下僕の身体を貫き、再生不能ダメージを与えることでしょう。〔紅の恐怖〕は問題なくプレイできます。

例、その2(間合い:遠距離)
お嬢:装備している〔Sengir Dagger〕で攻撃
下僕:素手で攻撃

この場合、間合いが遠くてお嬢のダガーは下僕に届きません。これでは「再生不能ダメージを与えるストライク」とは見なせないので、〔紅の恐怖〕はプレイできません。

例、その3(間合い:近距離)
間合い決定前、下僕は土下座しながらお嬢に対して〔Disease〕下級をプレイ。
お嬢:装備している〔Sengir Dagger〕で攻撃
下僕:素手で攻撃

この場合、お嬢のダガーは下僕の身体を貫く……はずなのですが、お嬢の〈筋力〉は〔Disease〕により0となっています。これでは、下僕に与える再生不能ダメージが0点となってしまいます。これでは「再生不能ダメージを与えるストライク」とは見なせないので、〔紅の恐怖〕はプレイできません。

例、その4(間合い:近距離)
お嬢:装備している〔Sengir Dagger〕で攻撃
下僕:戦闘終了

この場合、お嬢のダガーは下僕の身体を貫き、再生不能ダメージを与えることでしょう……が、相手の下僕は「Strike: combat ends」を選択しています。このままストライクが解決されれば戦闘は終了、お嬢の攻撃は無為に終ることでしょう。
ところが、〔紅の恐怖〕をプレイする為に必要なのは「ストライクを選択すること」であり、かつ「ダメージを与えることに成功するかどうかは問わない」のです。つまり〔紅の恐怖〕はプレイできます。

〔紅の恐怖〕は相手ヴァンパイアに対して1点以上の再生不能ダメージを与えるストライクを選択するならば、プレイすることが出来るのです。