プレビュー

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ハンターのセルが十分長い間存続し、そのビジルを遂行しているうちに、自分たち以外のセルに出会うこともある。一週間でも一ヶ月でも、独自のやり方で苦労してきたセルであれば、自分たちの得た経験を共有したり援助を申し出たりするだろう。まあ、その交換条件は相手からの経験談やら援助やらなのだが。で、より多くのセルが知識やリソースを注ぎつつ、同じ目標にむかってまい進する。彼らの通信網はより洗練され、組織化される人数が増えてリソースが潤沢になれば、怪物との実戦においてもより効果的に戦うことができる。そんなことやってくうちに複数のセルが団結して、彼らの活動は都市全体に広がってゆく。多くのハンター組織は、こんな感じに生まれる。始めは個別にがんばってたグループが集い来て、より大きなスケールでビジルを行うのな。
それ以外のケースでは、もともと超常とは無縁だった集団が、その存在を知って路線変更するっつう場合がある。例えば、セレブな道楽家の集まりであるアッシュウッド会(Ashwood Abbey)はメンバーの大半を数年前ワーウルフの襲撃によって失った。それ以来彼らの富と影響力は、超常存在を探し出し対処するために注がれている。
一般的にセルは自分の家を守るためとか、愛する人を守るために機能するのと異なり、巨大化した組織は都市全体や一つの地域に重点を置いて行動する――そして時には、世界中に支部を置いたりもする。例えばハンター組織の一つであるユニオン(Union)の場合、ネットのフォーラムを設置したり代表団を派遣したりして、北米および欧州を拠点に活動している。また疑似科学やオカルト学者の集いであるヌル・ミステリイス(Null Mysteriis)は学閥を通して世界中の大学や図書館に影響を広げている。
ハンター組織は個々のセルに比べて、人力においてもリソースにおいても知識においてもより広範に活動するだけの力を持つ。組織に属する支部やチームは、組織の全体目標を念頭において行動し、時には特定の任務が与えられる。セルに与えられる任務は、武器・装備・リソースの確保だったり、組織の構成員が利用できるような拠点の設立だったり、危機に瀕したセルの救助だったり。多くの組織は作戦とか目的を明らかにしない。機密の漏洩を防ぐためにである。でも、そういう事してると「裏で何か企んでんじゃねえの?」とか、「実は私利私欲のために動いてんじゃねえ?」のとか疑られたりするんだよ。そして時には、その疑念が確証になったりするんだよ。
ハンター組織はけっこう長持ちすることがある。無論、グループ上層部の指導力とか、そのリソースにも依存するけども。前出のアッシュウッド会は、彼ら自身によれば1850年より活動を続けている。ユニオンの場合は様々に形を変えながら、20世紀前半から活動している。ハンター組織が崩壊する原因は、内部分裂だったり、警察機関からの介入だったり、最悪の場合は怪物による工作活動だったり。ユニオンは1990年代中ごろに怪物からやられれた。組織のUsenetにアクセスされてしまい、多くのメンバーが犠牲になってしまった。ハンター組織が分裂したり、メンバーの多くが失われたりすると、彼らはまあ他の組織に加わったり新組織を立ち上げたりする。稀なケースでは生き残ったハンターたちが独立独歩の道をとる。ま、非道い裏切られ方されたりしたんじゃねえ?