冬:死と絶望の力

冬は全てが死に行く季節。霜が大地に爪を立てて、人でも獣でも野原でも森でも外皮を剥ぎ取ってゆく。冬は何かを殺す季節であり、昼は短く夜は長い。分厚い雪は全てを、墓場にかかる霞のように塗りつぶしてしまう。人々は互いに寄り添い、命与える炎の周りで寒さと闇とに耐え忍ぶ。冬の魔法は、夜中に凍り付いてしまう湖のように静かでもあり、命を奪い去る吹雪のように激しくもある。しかし、どちらにせよ冬の魔法は、死と滅びと終わりとに彩られた魔法である。
Dark Ages Mage, p118