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ハンターの組織
ビジルとはザ・一所懸命かつザ・暗中模索であり、闇に隠れて生きる妖怪人間どもと繰り広げられる闘争。戦いの場は裏路地だったり、地下室だったり、人里離れた農家だったりする。そんでもって大体、ハンターたちが守護対象としてるやつらの目と鼻の先で戦わざるを得なかったりする。ハンターはビジルのことを他人に漏らしちゃなんねえ。だって人類は怪物の存在に無知なのですから。よって救世主っ面で崇め奉られるよりは、どっちかっつうと人間社会から疎外される方向なのよね。ハンター活動って犯罪者とか狂人とかテロリストとかの活動と見分けつかないのです、無知蒙昧な一般大衆の目から見れば。
確かにビジルは心寂しいもんなのですが、だからっつって一人で夜に立ち向かいかつ生き延びることのできるハンターは数少ないわな。武器は要るし、備品は要るし、応急手当もしなくちゃなんねえし。長期戦になれば食料とか隠れ家とか、寝てる間に見張りに立ってくれる人間とか要るし。でも一番重要なのが、ハンターの所業が現実に即しているかどうか相談できる相手なんだよ。さもなければハンターと怪物をどうやって区別できようか?なんだけど、それと同時に重要なのが秘匿性ね――つまり自分の周囲の人間は大なり小なり必ず疑ってかかれということ。この二律背反する――おかげで時々刻々と変化しやすい――欲求がハンターを動かしている、世界中のどこであろうと。
どんな都市でも町でも、そこに超常存在があつまって暗躍し始めると、遅かれ早かれハンターたちがやってくるんだよ。夫々の戦術とか、目的とか、思想をもったハンターたちがね。そんなハンターたちが夫々のビジルを追い求める上で他のハンターたちと出会い、同盟を組んだり、情報を共有したり、互いを支援したり、より効果的なビジルを行うべく組織化したりするのです。また彼らは議論したり、一つのリソースを取り合ったり、互いをけん制したり、時には敵対行動に出たりするのです。ま、人間社会の縮図ってことね。
ハンターの組織は小さくかつ排他的。それはロンドンとかニューヨークのような大都市でも同じ。でも、やっぱり活気があるし常に変化し続けている。個々のハンターがセル*1を組み、互いの技術やリソースを結集させて、人間社会に仇なす怪物を仕置きするのです。時にはそういうハンターたちが他のセルと出会い、より大きな同盟を組んだりします。1つの都市とか地域をカバーできるくらいのネットワークをね。極々稀にはハンター組織がすげえでかくなっちまって、リソースとか影響力とかが国レベルまで広がったりもする。そこまででっかくなると、まあ確かに強くて効率的かも知れないが、他の大規模組織との政治的駆け引きが発生したり、内部統制のお陰で変化に対応し辛くなったり、価値観の相違から派閥が生まれたりするよ。ま、人間社会の縮図ってことね。そういうハンター組織の様相は世界中のどんな都市でも見られるよ。そんな危ういバランスでお互い仲良く喧嘩してるってのが、ハンター社会の基礎を成しているんだよ。

*1:cell。おそらくはハンターの最小集団を表す。