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拙訳してみる

数多の魑魅魍魎どもがカーテンの裏に隠れている。やつらは時折紅いベルベットの向こうから現れ、無垢な人間たちを果実のようにもぎ取ってゆく。人間とは、飢える者たちの家畜であり、好色な者たちの愛人であり、捩れた者たちの玩具であった。恐ろしき物語は今も語り継がれている。ヴァンパイアはその口を血で満たし、ワーウルフは暗き森で人間どもを狩り立て、デーモンは人の魂を贈り物の代償として掠め取った。それは単なる物語だろうか?答えは否である。その恐怖は現実であり、神秘という迷宮の奥深くに隠されている。
ハンター:ザ・ビジルは何らかの手段によって「怪物は存在する」という事実に気づいてしまった人間たちが主人公となるゲームである。彼らはその事実を放って置くことなどできはしない。敵について学ぶ必要がある。敵を滅ぼすあるいは其の力を奪い去る必要がある。敵を操り同士討ちさせる必要がある。それは安易な道ではない。それこそが終わりなき狩り、絶え間なきビジルなのだ。狩りは残酷と強迫の宴。斃れたハンターたちの血で滑った、地獄へ向かう下り坂だ。しかしそれ以外の道を求めたりはしない、ビジルのみが彼らを突き動かすものだからである。犠牲を厭わず。ただ邁進する。ただ狩りをするのだ。
ハンターは光であり炎である。それは化け物の肉に押し付ける松明であり、化け物を巣ごと焼き尽くす大火でもある。それは道を見失った友人や家族のために掲げられる蝋燭であり、ミイラの眠る玄室より見つかった巻物やメダルを明かすランタンでもある。ハンターはビジルをおこなう、その行動と知識を最大限に活用することで。しかし行動と知識の組み合わせは安全でも正気でもない。ハンターたちは狩りによって全てを失うかも知れないのだから。
しかしハンターたちはビジルを諦めない、なぜならばそれこそが彼らにできる唯一のことだからである。かれらは実在する怪物を見てしまった。彼らは恐怖を、あるいは不可解を認識し、それが彼らをかきたてるのだ。ハンター夫々が自分のビジルを信じている。ある者は怪物を動画で記録して世界に真実を広めようとし、またある者は人類の矛となるため古代の遺物を手に入れようとしている。
外から見ればハンターとは無知な烏合の衆と見える――知人や家族、そして状況によりたまたま合流した者たちだと。彼らは可視範囲の森を、自分の住んでいる町内を、彼らの属する小さなコミュニティを守っている。彼らは怪物の存在がどれほど根深いか知らない。ハンターには蝋燭で照らせるほどの範囲しか見えてこないのだから。
しかしいつしか蝋燭は松明に取って代わり、ある地域のハンターたちが合わさって集団となる。彼らは資産をプールし、人道的支援を行い、闇の眷属に対して結束し始める。
そして松明は荒れ狂う大火となる。彼らの組織は地球規模に展開し始め、彼らの過去を探り始める。古くから存在する魔狩人たちと現代の夜を生きるエージェントたちが結託し、強力な対怪物兵器を持ち出してくる。その兵器は時として強力すぎ、ハンターたちの人間性を問われることになる。
しかし例えハンターたちが集い業火と化したとしても、彼らは怪物の影が長く数多いことに気づく。しかも、炎は燃え続けることができない。蝋燭もいつかは燃えカスとなり、松明もいつかは冷め切ってしまい、業火もいつかは全てを焼き尽くして灰となる。ハンターたちはまた、彼らの命が有限であることをも理解する。影は永久に伸び続けるにもかかわらず。彼らが望む最大のことは、誰かがビジルを受け継いでくれるであろうことだけなのだ。