スキとかキライとか世界とか

折角だから訳してみるよ

ほほう、折角だからヒーロークエストやってみようかなって思ってる?

グローランサはありえないくらい広大だぜ……
特に全部の設定を使いこなそうと思ったらナー

by Christopher Kubasik

TRPGのマスターの中には、舞台となる世界設定を超・細かく知ってなければならんっちゅう方々が昔からいらっしゃる。

俺が思うに、その伝統は中つ国に対する設定愛好症とか、砂の惑星デューンに対する設定愛好症とか、SF者やファンタジースキーたちの持つ「世界創造ちから」に起因するのだと思う。

だがそういった考えはRPGに向かない、っつうかむしろダメぽいと思う。

グローランサについてだけど、全部の設定を把握しようとは思っちゃダメなんだぜ。ざっくりとしたアイデアが分かれば――というより、初めてグローランサの世界設定に触れた人だったら、九分九厘「ざっくりとしたアイデア」以上のものは得られないと思うんだぜ――後はオモロそうな箇所に焦点を絞るんだぜ。

ヒーロークエストのルールだの設定だのは、ドラゴン・パスという地方を舞台としている。ルールブック読めば、ちっこい村くらいは設定できると思う。後はそこで葛藤おこせば良いわけですよ。戦争とか飢饉とかね。そういうのを村規模でやっていって、GMとPLが少しずつ知識を増やしていって、やりたかったら舞台を広げていければ良いじゃない。

まあ、これだとね、設定愛好症GMは不満かもしれないね、いろんなアイデアを1つのキャンペーンに鮨詰めするタイプのね。でも設定を薄くするってことは、プレイヤーを世界の、物語の、そして冒険の中心にすえるって事なんだぜ。

あと、設定薄いから楽だよ〜。知ってなくても良いことだらけだから。考えてもみなさいよ。全ての世界設定を加味した上でPCの行動を決めるなんて出来ないでしょ、っつうか目の前の事件の事で精一杯でしょ。

グローランサは神話の世界なんです。だから、たとえ舞台が同じでも物語が異なるって事象に前向きなのです。グローランサは試験管で培養された均質な世界ではない――1つのサーバに全プレイヤーがログインしてるMMOじゃあ無いのです。それはまるで神話のように、文化とか部族とか遺産とかGM/PLの欲望(巫女とかね*1)の欠片が混ざっていて、そこで遊ぶ事が物語りになったりするものなのです。

でもね、例えグローランサで遊ぶっちゅうのが世界設定全て把握しなくてもおkだったとして、じゃあ世界設定の「どこまでを」使うのが良いのでしょうね?

(続かない)

GMとPLが同じくらいの速さで世界を広げていく……そういう安定したキャンペーン環境を構築する方が大変だな、少なくとも俺には。

*1:この一説は本文に無いが、鮎方さんの方を向いて付記しています