メモ

「Metamorphosis Alpha」は、1976年に初版発行のRPGであり、純然たるSF。以下、導入。

時代は23世紀。人類の探究心と冒険心は太陽系をも越えようとしていた。世界初の恒星間宇宙船によって、何百もの移住可能な世界が発見されたのだ。時を待たずして、多数の移民、探検家、難民そして巡礼者たちが宇宙へと押し寄せる。それから一世紀もの間、様様な移民線が地球を旅立ち、目的の星々へと向かった。その中には、無事に航海を終えるものもあれば、何らかの理由により消息を絶つものもあった。
冒険の舞台となるのは、行方不明となった恒星船ワーデンである。ワーデンはそもそも、西欧連合恒星船事業団(United Western Starship Cartel)設立のために建造された船である。そのデザインは当時最先端のものであり、新型合金の使用により今までに無い強度を誇っていた。サイズも全長80メートル、奥行40メートルと最大級であり、完成には11年を要した。船員たちは世界中から選りすぐられた。最新鋭の人工知能が船を制御し、移民たちをアルファ・ケンタウリへと送り届ける予定であった。しかし、ワーデンが目的地にたどり着くことは無かったのだ。
出航して六ヶ月後、ワーデンは消息を絶ったはずの移民船ボニー・ブラウンを発見する。ワーデンが調査のためボニー・ブラウンへ接近しようとした瞬間、船は不可視の物体――小惑星と衝突した。船体には幾つもの穴があき、そこから未知の放射線が入り込んで船内に充満した。放射線は電子システムや人工知能、および船内の生命体に致命的な損傷を与えた。驚愕すべきことに、コールドスリープポッドにより保護されていなかった船員たちは全て死亡してしまう。
緊急避難システムが起動されたものの、システム自体が放射線障害によって誤作動を起こした。保安ロボットたちも導入されたが、彼らのプログラムは放射線によって書き換わり、船内の混乱状態はより一層深まった。
事態はさらに悪化する。異星人の襲撃である。彼らはワーデンの想定航行ルート上にクローキングをかけた小惑星を配置し、船内に侵攻するチャンスを待ち構えていたのだ。彼らは先ず斥候を送り込んできた。衝突より最初の三ヶ月間、ワーデンのメインコンピュータは異星人と叛乱するロボットたちを相手に必死の攻防を繰り広げた。コンピュータはその際、コールドスリープ下の人間を覚醒させるのは非常に致死率が高いと判断した。それに対してアンドロイドならば緊急事態への即時対応が可能という判断から、船内の複数セクションにてアンドロイドたちが起動された。非常に不幸なことに、とあるセクションのアンドロイドたちは放射線の影響を受けてしまっていた。彼らは休眠中のアンドロイドに船への敵対性をプログラムした上で、次々とそれらを起動し始めた。
次の三ヶ月間、異星人の工作兵および放射線の影響により、船内環境は完全に異質のものと化した。終にロボット側のリーダーと、アンドロイド側のリーダーとが合議し、船を救うには人間の力が必要と判断した。彼らはコールドスリープ下の歩兵および指揮官たちを覚醒させ、援助を要請するのだった。