能力について

最近、レイスの事を書いて無かったから、書く。レイスには、まあ【訓え】みたいなもんで、特殊能力がある。名前は【秘鍵/Arcanoi】な。ほんでもって、十三ある【秘鍵】の中でも、レイスと現世との関わりを操るのが、〈ライフウェブ/Lifeweb〉です

レイスってさ、一応死んだばかりだと、矢張り現世の何がしかに執着してるわけ。息子が心配だとか、俺の部屋には誰も入って欲しくないとか、あの車でもっともっと峠を走りたかったとか、そんなの。要は、そいつが生きている間に、大事だったものが、レイスを現世と結びつける。人生が、命を、繋ぎ止めるわけ、網のようにね。だから、〈ライフウェブ〉です。人生がはぐくむ、命の絆です

無論、世界は変化する。人は年を取るし、物は古びるし、場所は崩され作り直される。そうすると、レイスにとっては、自分の欠片が失われるわけ。当然、それは大変な事なので、レイスは大体、現世に残した欠片を守ろうとする

で、〈ライフウェブ〉の能力を使うと、例えばレイスと彼の息子との間に、絆を感じ取れるわけ。「ああ、こいつは息子が大事なんだな」みたいな。つまり、〈ライフウェブ〉を知るレイスは、言ってみれば、他のレイスの人生の片鱗をうかがい知る事が出来るのよ

でさ、もしも俺が、他人の「一番大事なもの」を知覚できるとしたら、どうかしら?その力を、どんな風に「利用」できるかしら?

ん、今日はここまで