メモについて

誤訳は起こる。そりゃあ、仕方ない。でも、そんなのどうでも良い事だってある

ステイレストは自分が他者より優れているとは思っていない。自分を知っているのだ。数百年におよぶ慎重な計画によって彼女はヴァンパイア社会での居場所を築いたのだし、そこに他者を割り込ませることなどない。
TRPGサプリ05」アトリエサード、2004年、18頁

突然、「自分を知っているのだ」と書いてあるので、自分の力量を正確に把握しているから、狡猾ながらも傲慢ではないのかと思った。しかし、その割には後続の文章が、自分を優れていると思ってるっぽい。で、原文参照。

Stalest doesn't think she is's better than anyone else. She knows she is.
N. Findley and G. McMartin, Dark Alliance: Vanouver, White Wolf, 1993, p. 99

ああ、はいはい。「think」と「know」の対比っつうことね。換言すれば、「意見」と「正しい認識」の対比な。要はステイレストにとって、自分が他の誰よりも優れているというのは、私見なんかじゃない、事実だ。だって本当のことなんですもの
で、確かに俺は最初の訳文を誤訳だと思う。でも、だからといって、文脈がそこまで断絶してるかっつうと、「自分を知っているのだ」が多少浮いてると感じる程度。それに、こんなのわざわざ調べなきゃあ、分からない程度の浮いてる感覚だ
誤訳は起こる。そりゃあ、仕方ない。でも、そんなのどうでも良い事だってある